防災備蓄の収納
防災備蓄はどこにしまう?水と食品を分けて置き、期限切れにしない収納の決め方
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備蓄は「分けて」「腰の高さと下段に」「2か所以上」へ
普段も使う物と災害時だけ使う物を分け、腰の高さの奥と下段の手前に置く。重い水やコンロは下へ、天袋には入れない。これが基本の形です。
量は、人数と日数から逆算できます。まず置き場所を決めて、そこに入る分から始めても遅くはありません。

防災の日に買った保存水の箱。押し入れの奥に入れたまま、次に見たのは期限が切れたあとだった。備蓄の悩みは、買うことより「しまったあと」に起きることが多いものです。
奥にしまい込むと安心はしますが、見えない物は忘れます。かといって、リビングに段ボールを積んでおくのも落ち着かない。この記事では、忘れずに使えて、暮らしの邪魔にもならない置き方を考えます。
まず量を決める:人数別の目安
農林水産省は、食品を最低3日分から1週間分、人数分備えるのが望ましいとしています。水は、飲む分と調理に使う分だけで1人1日3リットル。カセットボンベは1人1週間で約6本が目安です。
この数字を人数に当てはめると、置き場所の大きさが見えてくる。
| 人数 | 水 3日分 | 水 1週間分 | ボンベ 1週間分 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 9リットル(2Lで5本) | 21リットル(2Lで11本) | 約6本 |
| 2人 | 18リットル(2Lで9本) | 42リットル(2Lで21本) | 約12本 |
| 3人 | 27リットル(2Lで14本) | 63リットル(2Lで32本) | 約18本 |
| 4人 | 36リットル(2Lで18本) | 84リットル(2Lで42本) | 約24本 |
2リットルの本数は切り上げています。表にすると、4人家族で1週間分の水は2リットル42本。6本入りの箱なら7箱です。これを一度に全部しまえる家は、そう多くないはず。
だからこそ、量より先に「どこに何箱置けるか」を測ります。箱の大きさは銘柄によって違うので、手元の箱の外寸を測り、置く場所の幅と奥行きに当てはめてみる。
収納ケースを使う場合の測り方は収納ケースを買う前に測るところにまとめています。
普段使う物と、災害専用を分ける
期限切れの多くは、「普段は使わない物」の中で起きます。農林水産省の資料でも、災害専用の物と、日常でも使うローリングストックの物を分けることが最初のチェックポイントになっています。
| 分け方 | 例 | 置く場所 | 見直し方 |
|---|---|---|---|
| 普段も使う物(ローリングストック) | レトルト食品、缶詰、乾麺、飲料水、トイレットペーパー | キッチンやパントリーの、いつも手が届く場所 | 使ったら買い足す。古い物を手前に |
| 災害時だけ使う物 | 非常用トイレ、カセットコンロとボンベ、ラジオ、懐中電灯 | 玄関の近くと、廊下収納やクローゼットのすき間 | 年に二回、期限と電池を見る |
レトルトや缶詰は、普段の食事にも使える物を選ぶと回しやすくなります。反対に、非常用トイレやラジオは日常では出番がない。こちらは期限や電池を見る日を決めて、忘れないようにします。
- 人数と日数から量を出すまずは3日分。水は1人1日3リットル
- 普段使う物と災害専用に分ける回す物と、見直す日を決める物
- 置く場所を2か所以上に決める腰の高さの奥と下段。重い物は下へ
置く高さは、腰の高さの奥と下段の手前
いちばん取り出しやすい腰の高さの手前は、毎日使う物のための場所です。備蓄はその次、腰の高さの奥か、下段の手前に置きます。農林水産省の資料では、この位置を「第2ポジション」と呼んでいます。
| 置き場所 | 向き・不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 腰の高さの棚の奥 | ◎ | 手前は毎日使う物、奥に備蓄。手前をどければすぐ届く |
| 下段の手前 | ◎ | 水の箱やカセットコンロなど重い物はここ。しゃがめば取り出せる |
| 玄関の近く | ○ | 外へ持ち出す物を。1か所目の置き場所として資料でも例に挙がっています |
| クローゼット・廊下収納のすき間 | ○ | 2か所目に。衣類の下や横の空いた床面を使う |
| ベッドの下 | △ | 空間はあっても、重い箱を引き出しにくい。キャスターを付けるか、軽い物だけに |
| 天袋・吊戸棚 | × | 重い物・割れ物は落ちると危ない。非常時に踏み台を探すことにもなります |
天袋が空いていると、つい使いたくなります。でも、重い箱を頭より上に上げると、下ろすときに危ない。非常時に踏み台を探すことにもなる。高い場所は、軽くて割れない物だけと決めておくと迷いません。
1か所にまとめず分けるのも大事なポイントです。資料では、1か所は玄関など外へ出る近く、もう1か所はクローゼットのすき間や廊下収納、という例が挙がっています。
分けて置けば一つひとつの場所は小さくて済み、閉じ込められたときに近くの物でしのげる利点もあります。
うちの場合はどこに置く?
住まいや家族によって、置ける場所は変わります。近い行から見ていきましょう。
| 家の状況 | 置き場所の考え方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ワンルームで収納が少ない | 玄関横に1か所、ベッド下かクローゼットの床に1か所 | 水は2Lの箱を縦に積まず、床に並べられる数だけ置く |
| 高齢の家族がいる | 腰の高さと下段だけを使う | 天袋は日頃から使わない。資料でも、高齢者は天袋収納を避けるよう書かれています |
| 小さな子どもがいる | カセットボンベやマッチなどは、子どもの手が届かない下段の奥や扉付きの収納へ | 重さのある箱の上に軽い物を載せて、登られないようにする |
| 2階建ての家 | 1階と2階に分ける | どちらか一方に行けなくなったときにも使えるように |
| マンションの上の階 | 水を少し多めに | エレベーターが止まると運び上げるのが大変なため、置ける量を先に測る |
どの家でも共通するのは、取り出すまでに物を二つ以上どかさないことです。手前の物を一つどければ届く、くらいが目安になります。
期限切れにしない回し方
ローリングストックは、普段の食品を少し多めに買い、古い物から使って、使った分を買い足す方法です。収納の側で工夫できるのは、古い物が自然に手前に来る並べ方にすること。
買ってきた物は奥へ、手前から使う。箱やケースの手前に、購入した月か期限を大きく書いておくと、扉を開けたときに目に入ります。細かい文字を探さなくて済むので、見直しが一瞬で済むはず。
災害専用の物は、見る日を先に決めておくのが確かです。たとえば9月1日の防災の日と、その半年後。年に二回なら、カレンダーに入れておけば続けられるのではないでしょうか。
カセットボンベは約7年、コンロは約10年が使用期限の目安とされています。
収納用品を買う前に
段ボールのまま置いても、備蓄としては十分です。ただ、下段の奥に重い箱を置くと、引き出すたびに床をこすって重さを感じます。
そういう場所には、キャスター付きのケースが向いています。重い物ほど、動かせるかどうかで使い勝手が変わる。
| 購入を考えてもよい人 | 必要性が低い人 |
|---|---|
| 水の箱をベッド下や下段の奥に置き、引き出しにくい人 | 手前に置けて、段ボールのまま出し入れできている人 |
| 災害専用の物が散らばり、どこにあるか分からない人 | すでに一つの棚や箱にまとまっている人 |
買う前に、入れたい箱の外寸と置き場所の幅・奥行き・高さを測ります。キャスターの分だけ高さが増えるので、ベッド下に入れるならベッドのすき間の高さも確認を。
耐荷重は商品ごとに違うため、水を入れるなら重さに耐えられるかも見ておきたいところです。
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よくある質問
備蓄はどのくらいの量があればいいですか?
農林水産省は、最低3日分から1週間分を人数分備えるのが望ましいとしています。水は飲む分と調理に使う分で1人1日3リットルが目安です。いきなり1週間分をそろえなくても、まず3日分を置ける場所を決めてから増やす方が続きます。
押し入れの天袋にまとめて入れてもいいですか?
おすすめしません。農林水産省の資料では、災害時に使う物を天袋や収納の奥に押し込まないこと、水やコンロなどの重い物は下段に入れて上段は避けることが挙げられています。取り出すときに踏み台が要る場所は、非常時にはさらに使いにくくなります。
期限切れを防ぐには、どうしたらいいですか?
普段も食べる物を少し多めに買い、古い物から使って使った分を買い足す「ローリングストック」が基本です。置くときに購入した月か期限を大きく書いて手前に向け、新しく買った物は奥へ入れます。見直す日を年に二回ほど決めておくと、奥で眠ったままになりにくくなります。
奥にしまい込まず、手の届く二番目の場所へ
備蓄の収納で大事なのは、たくさん入ることより、思い出せて取り出せることです。普段使う物は回し、災害専用の物は見る日を決める。重い物は下へ、置き場所は2か所以上に。
まずは家の中で、腰の高さの棚の奥と下段の手前に、どれくらい空きがあるか見てみませんか?
参考にした公的資料
- 農林水産省「防災備蓄収納のチェックポイント」(maff.go.jp) 分けて置く、分散する、第2ポジション、重い物は下段、高齢者は天袋を避ける
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)」(maff.go.jp) 最低3日分〜1週間分×人数分
- 農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」(maff.go.jp) 1人1日3リットル
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(7)」(maff.go.jp) カセットボンベ1人1週間約6本、使用期限の目安
いずれも2026年9月24日に確認しました。2リットルの本数と置き場所の向き・不向きは、これらの資料をもとに収納大全が整理したものです。
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本記事は、公的資料と出し入れの動作を基準にした収納大全の提案です。特定商品の使用レビューではありません。